風俗という仕事は、完全に「興味があるから」という理由だけで始めました。
世間の風俗嬢と同じく、私も仕事をしていた時はその事実を隠していたし、今も隠し続けています。
そんな思いをしてまで実際に働いてみて、今どのように感じているかを書きます。
色んな職業を自由に選べる権利はありますが、その権利の裏側の責任は自分で負わなくてはいけません。大きな理由もなく始めた仕事を辞めて数年。今、私が感じていることは——。
働いていた頃は「そわそわ」していた
その当時は、正社員として会社で働き始めたばかりでした。キャッチに声を掛けられ、その方が何となく気に入ったので、働いてみることにしました。
初めてお給料をもらった日は、一時間の仕事で結構すごいなと思いました。ただ、たった一人接客しただけなのに、疲れたなという印象でした。
その後は、仕事の合間の過ごし方を上手に考えて、出勤を苦に感じないようにしました。
週に1回だけの勤務なので、正直だらけてしまいます。休んでしまいたいなと思う日もあったのですが、風俗嬢として働けばセックスの技術がつくと思っていました。そんな気持ちで続けていました。
バレたら嫌だなという気持ちと、秘密にしている感じも楽しいなと思ったり、今までTVでしか見たことのない世界に入ったことを少し喜んでいたり。そわそわした気持ちが一番大きかったです。
辞めてすぐは、後悔もあった
辞めたタイミングは、性病が移ってしまったことと、あまりセックスの技術が得られなかったこと、気になる人ができたことが重なったためです。
好きな人と付き合ったりもしたのですが、自分が興味本位でしたことが、かなり浅はかなことだったのでは、と後悔することも多少なりともありました。
女友達と風俗や夜の仕事の話題が出た時には、マイナスなことを言われると、何だかむしょうに腹も立ちました。実際に働いたこともないくせに、という思いでした。
自分のしたことを正当化したかったのだと思います。正当化したいと感じながらも、心のどこかでは悲観的に感じて後悔し、汚点の部分だと感じていたのだと思います。
お金は得ることができましたが、その金額には見合わないほどの隠し事を抱えてしまったな、という気持ちでした。
辞めて数年たった今は、後悔していない
今は、正直、後悔していません。そんなふうに考えられるようになったのは、自分のしたことは、そんなに悪いことでも恥ずかしいことでもないと思えるようになったからです。
胸を張って言える肩書きのある仕事だけが、誇らしい仕事ではありません。今も、おそらく未来も隠し続ける仕事でしたが、誰しもが踏み込める仕事ではない仕事をしたことを、誇らしく思っています。
風俗嬢の話題が出た時に、知ったふうに話す人を見て、「聞いた話だけど」とか言っている段階で、私は優越感を感じます。自分で体験もしていないのに何を偉そうに言っているんだろう、と思える心のゆとりができました。
今は結婚し、旦那も子どももいます。まだまだ偏見の目で見られる職種なので、この仕事のことに関しては一切言うつもりもありません。相手に不要な感情を抱かせる必要はないと思っているからです。
過去に後悔はしていませんが、大切な人のことを思って、公言は引き続きしないかなと思っています。もし、そんな人がいなければ、結構普通に言っていたと思います。誰しもが、実際に働こうと思っても踏ん切りの付く仕事ではないと思っているからです。
「言わない」ことは、「嘘をつく」こととは違います。ひろのさんは、隠し続けることを、大切な人を思っての選択として書いています。
昼の仕事に移るときの履歴書も、同じ考え方で書けます。偽らずに、でも全部は書かない方法を夜職から昼職への履歴書はどう書く?にまとめました。
後から生まれた、違う後悔
違う後悔が出てきたのは、その頃です。
もっと真摯に向き合って仕事をしていれば良かった、と後悔しています。指名を付ける方法やセックスの技術ではなく、エロく楽しませるためにどんなことができたかを、もっと考えて、検証を重ねる働き方をすれば良かったと思っています。
そうすれば、風俗嬢として働いていたことに、もっと意義を見出せたと思うし、実際にいい情報を取れたり、結果を残せたりしたと思います。
私の今の目標は不動産投資です。その自己資金を、風俗嬢で頑張れば一年で結構な額を稼ぐことができる、と計算した時に、結婚して子どももいるけれど、期間を決めて再度やりたいなとさえ思ったほどです。
ただ、意味もなく言われた日に出勤して、お客さんが来たらその時間接客して、何となくお給料を受け取って、必要な物にお金を払って……という受け身の生き方ではなく、何のために働くかをしっかり持つことで、仕事の向き合い方も変わってくると思います。
セックスの技術を得たいと思って始めた仕事ですが、実際には何かを試してみたり実践したりしていなかった自分に、げんなりしています。
まとめ:同じ過去でも、感じ方は変えられる
人は、これからすることについて、未来の自分はどう感じるだろうかと考えながら選択していくことは少ないと思います。
ただ、何かをした過去というのは、消すことはできません。
そしてもう一つ言えることは、自分のしたことを後悔しながら生きていくよりも、前向きにチャレンジと捉えながら関わることで、同じ過去でも感じ方は違ってくると思います。
否定的なことを言う人も多くいます。あらがえない過去に、心苦しくなることもあるかもしれません。
どのように感じ、考え、行動するかは、自分自身で決めて良いことです。
一つの選択を自分に納得させることで、良い人生になると思います。無理やりやらされるのは違うと思いますが、簡単に始めたとしても、自分が選択したことに誇りを持てれば後悔はありません。
まだまだ社会的評価の低い職業ですが、それをどのように解釈するかは、自身で決めて良いことだと思います。